綺麗に塗装された住宅

塗り替えが必要な理由とは

◇外壁・屋根の塗替えが必要な理由

住宅の外壁や屋根の塗装は適時行う事が必要です。我が家は見た目など気にしないから、塗り替える必要はないと考えられるのは、大きな間違いなのです。 外壁や屋根を塗り替えるのは、単に見栄えだけの事ではないからです。その必要な理由を下記にまとめたいと思います。

◇外観の見栄えを良くする効果

外壁や屋根は、新築時は綺麗でも、時間と共に風雨や外気にさらされる事で汚れが蓄積され、外観が汚くなってしまいます。塗装をやり直す理由の1つとしては、この外観を綺麗にすると言う理由も、もちろんあります。 外壁や屋根塗装をし直されると、新築時の美しさが取り戻せ、見違えるほど綺麗になり、多くの方が塗り替えて良かったと実感されます。 外観が綺麗になり、また塗装色を変える事で住宅の雰囲気を一新すると言った効果は当然得られます。しかし塗り直す必要性はこれだけではないのです。

◇住宅を雨水から守り住宅寿命を短くするのを防ぐ効果

住宅の屋根や外壁は、長年風雨にさらされ、紫外線を受け、時には地震に因る振動等、様々な外部からの影響にさらされ続けているのです。 そうした事により、外観が汚くなるだけでなく、細かいクラックが走ったり、塗膜が劣化して雨水をはじく機能が大きく劣化しているのです。 特に大きな地震等の影響を受けていなくても、10数年も経てば、外壁にはクラックが生じるのが一般的です。 住宅の構造体も長年の間にひずみが生じたり、壁を塗った時の応力が、長い時間と共にクラックとして現れるのです。 こうしたクラックがあると、そのクラックの開口部に薄い紙1枚が入るほどなら、そこから雨水が外壁内に侵入すると言われています。 もちろん、雨水が浸透すると言っても、当初はそれが室内に雨漏りの様に流れ出る事はないでしょう。 しかし雨水が外壁から浸透し、住宅の構造体である柱や梁の目に見えない部分につたっているのです。これを放置していると、無垢の構造体である柱や梁を腐食させる危険性があるのです。 また床面に近い所なら、こうした雨水の浸透による湿気により、シロアリの発生を招く事も考えられるのです。 これを放置しておくと、住宅の躯体が弱り、結果的に住宅の寿命を短くしてしまうのです。 同じ時期に建てられた住宅でも、傷みが激しい住宅とそうでもない住宅があるのは、住宅が経年劣化するのを、適時メンテナンスしているか否かの違いに因る事が多いのです。 外壁塗装・屋根塗装も住宅寿命を短くしないために重要なメンテナンスのリフォームなのです。 クラック以外の劣化としては、塗装により外壁や屋根を覆っていた塗膜が劣化して、雨水をはじく能力が著しく悪化しているのです。 これでは塗装膜の機能を果たしているとは言えず、新たな塗膜でコーティングするために塗り直しが必要なのです。

カラフルな住宅

◇クラックをDIYでコーキングのでは不十分です

クラックがひどくなると、雨水の侵入がひどくなり、場合によっては目に付く箇所に薄っすらと雨漏りが生じる事があります。 さすがに、そんな症状が出ると、対処が必要だとクラック部にコーキング剤を自分で塗りこんでメンテされている住宅も目にします。 外観は気にしないし、クラックを塞げれば良いと一見合理的な考え方の様に思えますが、多くの場合にはコーキング剤が十分にクラックに埋め込まれず、 表面にテープ状に塗られている事が多く、数年もしない間に、外壁から浮いてしまい全く効果を発揮していないと言った事が多いのです。 不安定な梯子に乗っての作業で、慣れない素人がコーキングをするだけでは、クラックを塞ぐと言う効果さえ十分に得られない事が多いのです。 やはり足場をしっかりと組み、プロの下処理と塗装により完璧にメンテする事が望ましいのです。

◇塗り直す時期の判断

外壁や屋根塗装は、単に外観や見栄えを良くするだけでなく、住宅の躯体が雨水の浸透によって腐食されるのを防止する事が必要性の大きな理由です。 この理由は分かっても、いつ塗り直すべきかの判断を適切に行う事も大切です。 塗り直しのタイミングとしては、やはり2つのポイントで判断されると良いでしょう。1つは塗膜表面の劣化状態です。 塗膜の寿命は使われている塗料種によて異なりますが、近年最も多く用いられているシリコン系塗料では、12年程度が目安とされています。 12年程度を1つの目安としながら、自己判断する方法として、指で外壁の表面をなぞり、指に白い粉が付く様なら劣化が進んでいると考えると良いでしょう。 もう1つはクラックの入っている状態・状況です。先に記載した様にクラックの口が紙1枚が入る程度で雨水が浸透します。 クラックの入り方は、モルタルを塗られた状態や、地震の振動や幹線道路沿いなら車の走行振動等のストレスをどの程度受けているのか等で大きく異なるため、一概に何年でという事は中々言えません。 目視でじっくりと観察し判断すると共に、細かいクラックが走っている程度でも塗膜の表面劣化が進んでいれば、塗り替えるべきと言えます。 繰り返しになりますが、外壁・屋根の塗替えが必要な理由が、単に見栄えや外観の為だけでなく、それ以上に住宅を雨水からしっかりと守り、住宅寿命を短くしないために重要なメンテナンスなのです。 従って、適切な塗り替えのタイミングで実施する事が非常に大切なのです。